ドイツ・カールスルーヘ訪問記

2001年6月5日〜11日、ドイツの田舎町・カールスルーヘ(Karlsruhe)へ行って参りました。同街にあるカールスルーヘ大学で行われる学会 "IWQoS2001" に出席するために出張するダンナさんに付いていった次第。ドイツ訪問は三回目ですがこれまではミュンヘンやフランクフルト、ロマンチック街道沿いのルーテンブルクやフュッセンなど観光としてはメジャーな街ばかりで、今回のような知られざる(?)田舎街ははじめて。黒い森の発祥の地、お城と公園の美しい、古くからある典型的な城下町だということで、愉しみに訪問しました。

2001.6.05 1日目

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フランクフルト駅。
ドイツの駅はどこもキレイで清潔。
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宿泊したクイーンズホテルの横の側道。
左の建物がホテル、手前が道路。
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外に出て歩くとこんな感じ

今日は出発の日。朝05:30には出発の予定だったので、もともと夜型の私は起きる自信もなく徹夜を決意。んが!しかし午前4時頃には限界に達し睡魔に襲われる。。弱いなり、私。んで、チョットだけのつもりで布団につっぷしたら熟睡してしまい、1時間後セットしていた強力目覚まし時計に叩き起こされる。良かった、起きれて。。
その後チャチャっと身支度をして車で成田空港へ。最近車で成田空港に乗り付けることを覚えたのですが、これ、楽で良いです。なにせ重いスーツケースをガラゴロと転がさなくてもよいですからねぇ。成田空港近辺は日貸しの駐車場も安く、10日間くらい預けても1万円ちょっとですみます。関東近辺から二人以上で移動する場合は断然お勧めです。帰国時は車を空港まで持ってきてもらうプランにすれば、楽チン楽チン♪

出国手続きをして飛行機へ。今回はKLMを利用(マイレージ目当)で、一旦アムステルダムに行きます。飛行機の座席は断然窓際をゲット!子供っぽいとバカにされよ〜とも、わたしゃ飛行機に乗るのときはかならず窓際指定で、へばりつきで窓の外を覗くのが愉しみなのです。今回は3人席を2人で占領することができ、席の仕切りを外してゴロゴロと横になることもできてラッキーでした。横になれると全然楽さが違いますね。あまり気流の乱れもなく、前夜の寝不足も手伝ってグースカ眠れました。

無事オランダはアムステルダムに到着。その後乗り換えてフランクフルトへ。いつも思うのですがユーロ・ヨーロッパ圏内の規制のなさといったらすごいですね。税関のチェックもなし、パスポートチェックもゆるゆるだしまるで国内のようです。エアバスも安いしね〜。で、フランクフルトに到着後、ICE(インターシティ・エクスプレス。ドイツの新幹線みたいなもの)で一路カールスルーヘへ1時間半。

ようやっと目的のホテルへ着いたのは現地時間 PM11:30頃 でした。door to door で実質24時間以上。つ、疲りた〜〜〜〜。部屋に入るとシャワーも浴びずベットへ飛び込む。泥のよーに眠りました。

2001.6.06 2日目

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マクドナルドにビールが。
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街の中心にあるエトリング城。
放射線状に建物が広がる美しい形
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お城の裏は広い庭園になっている。
うらうらと過ごすのに最適

2日目、朝起きるとダンナさんはカールスルーヘ大学へ。私はとりあえず、この街の旅行情報をゲットしよう、と駅にあるトラベル・インフォメーションセンターに出かける。「地球の歩き方」にもこの街については1ページしか情報が載ってなかったからね〜。まずは地図をゲット。あと係のお姉さんに、お勧めのレストランを聞く。とても親切に、あれこれ教えてくれました。特定のお店の名前は出てこなかったけれど、ビヤレストランの集まる広場を教えてくれた。なかなか良さそうなり。
ついでに、駅のマクドナルドでブランチ。マクドナルドって国によってメニューや味が違うから、結構面白いのですよ。マレーシアのマクドナルドのオレンジジュースがとてつもなく美味かったり。アメリカのマクドナルドでは昔、ビスケットサンドなるものを食べたことがありました(ケンタッキーのビスケットみたいなのをパン代わりにしたハンバーガー)。今回は Rib Mac というのを注文。ロッテリアのリブサンドにグレービーソースがかかったようなやつで、なかなか美味しかったです。一緒にアイスコーヒーを頼もうとしたのですがメニューになく、ホットコーヒーにしました。その後、どこへ行ってもアイスコーヒーなるものは喫茶店でもどこにでもありませんでした。ドイツにはないものなのかしらん?
そして、発見!ドイツのマクドナルドメニューにはビールがある〜!!! おそるべき、ビール王国ドイツ。証拠写真は左に。

お腹もくちくなったので街の中心にあるエトリング城(Schoss Ettling)までぶらぶらと歩いていく。18世紀に建てられたというこのお城、太陽光線をイメージした放射線状に建てられておりとても美しいです。お城の中は博物館になっており、ここの持主だった伯爵夫人の肖像画やドレス、調度品などが展示されていました。どれもこれもため息でちゃう品々。。いいな、こういうバロック様式のもの、好みです。売店で肖像画や彫刻などの絵葉書を買う。
このお城の裏は広い庭園になっており、広大な芝生に池や遊歩道があってボーっと過ごすのに最適そうです。人も三々五々、くつろいでいました。そこで私も池のほとりのベンチに座って持ってきた文庫本を読むことに。2時間程過ごす。

そろそろ日ざしも強くなってきたので移動。お城正面のマルクトプラッツ(Marktplatz/マーケット広場)に出るとどこからともなくアコーディオンの音色が・・。ゴシックなマーケットの雰囲気とあいまって、いっぺんに中世にタイムスリップしたみたいな気持ちになりました。いや〜ん素敵!

PM06:00 にダンナさんとホテルで待ち合わせしていたので合流。今回一緒にいらしていた慶応大学の西尾先生と一緒に、朝、インフォメーションのお姉さんが教えてくれたビヤレストランの広場に行って夕食。ビールで乾杯!

2001.6.07 3日目

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マルクトプラッツ。
右に見えるのは花市
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マルクトプラッツを歩いていると
どこからともなくアコーディオンの音色が!
観光バス用の客寄せでした
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3日目に入ったレストランにて
左から慶応大学西尾先生、私、ダンナ。

今日はお土産の買出し。街一番の目抜き通り、マルクトプラッツ横のカイザー通り(Kaiserstr.)をぶらぶらと歩いてショッピングです。
自分用にシャツを一着購入。フィッティングルームで試着したのですが、ヨーロッパ人一様の鷹揚さというか、なんかペロっと見えてしまいそうなフィッティングルームでドキドキしちゃいましたよ。盗難防止なのかもしれませんが、カギ閉まんないし、上と下あいてるし。隣のお姉さんの入ったボックスは、ドアがぶらぶらしていてパンツとブラ姿がばっちし、店内に見えてました。当人も皆も全然気にしていない風。まぁいいけどね。。。

古本屋を見つけたので物色。古本屋って、現地の人の生活を垣間見るような気がして好き!物色するだけでも楽しいです。表のワゴンで古い木版画冊子を発見。掘り出し物でした♪ ほくほく。あとドガの素描集と、古城のスケッチ集を購入。

デパートのワインセラーでワインを物色。しばらくは自分でラベルを見ながら選んでいたのですが、あまりの膨大さに根をあげてそのへんでカートを運んでいた店員さんにヘルプを求めると、懇切丁寧に説明してくれました。
彼のアドバイスに従ってバーデン産のアイスバイン(eiswein/完熟して凍結した葡萄を使って作る、香りが強くてあま〜いデザートワイン。うちの父が好きなのだ)を1本、同じくこのあたりバーデン地方で作られた中辛の白ワインを1本購入。外国でワインを買うときっていつも、よくわからないのでテキトーに選んで買うことが多いのですが今回は親切なアドバイスが得られたので、ちょっとこだわり?のセレクトになったかも。開けるのが楽しみです。

おいしそーなソーセージがいっぱいぶら下がっている肉屋さんがあったので、そこでソーセージとハムの缶詰を購入。真空パックのものは日本への持ち込みが規制されているのと、飛行機の気圧の関係で持ち運びの際にパンパンに膨らんで中身がダメになってしまうので、重くても缶詰なのだ。ワインと缶詰で死ぬ程荷物が重く、フーフー言いながらホテルに帰る。

昨日と同じくダンナと西尾先生と合流し、今日私が歩いている時に見つけた、カイザー通り裏にひっそりとある隠れ家的なビアレストランへ(カイザー通り脇 passegeehof通り。Morganという表示あり)。表がちょっとボロっちくて、入るのにちとためらったのですがいざ入ってみると、これが当たり!なレストランでした。伝統的なドイツ家屋を彷佛とさせる店内で、店員はみんなヒゲをたくわえたおじいさん。ドイツ語しか通じなかったけれどなんとか辞書と旅行ドイツ語会話で切り抜けて注文しました。私はABADAという地ビールを注文したのですが、濃くて、甘くて、とても美味しかったです。レモンが入っていたのが印象的。ギネスビールをも少し軽くして、も少し癖あるようにした、感じかな??他にも色々と飲んだのですが銘柄を忘れてしまった(^^; まぁこちらで飲もうと思っても輸入もしてないだろうしな〜
料理もとても美味しかったです。肉が旨い!ポテトが旨い!ソーセージが旨い!バクバク食べて飲んでしまいました。
その後ホテルのバーに入り二次会。大いに盛り上がりました。

2001.6.08 4日目

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お昼に食べたホットドッグ。
ちょいと手が邪魔でしたね。
後ろでおばちゃんがソーセージを焼いています
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さすがドイツ、
タクシーはベンツでトラックはビーエムです。
写真を撮ってると おにいちゃんが
出てきてポーズをとりました
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マルクトプラッツで見つけた
いい感じのカフェ。

本日で学会は終わりで、ダンナは午後から自由行動できるとのこと。PM01:00 にマルクトプラッツで待ち合わせをしました。雨がパラパラと降っていたので、私は午前中は NORDSEE というノルウェー産のシーフードをメインとしたファーストフードで時間をつぶす。
ここのがまたとても美味しかった!ドイツ料理ではないけれど、このファーストフード店、ドイツでけっこうメジャーに展開しているようでとても美味しく感じも良いのです。店内は北欧っぽく白木のテーブルと椅子で明るい雰囲気。私はタラのフライタルタルソースかけと、ガス入りのミネラルウォーター(ヨーロッパ圏内ではよく飲まれているようですね。好き嫌い別れますが私は好き)を注文しました。
ずっと文庫本を読んでいたのですが、ふと隣を見ると7、8才くらいの金髪の女の子がテーブルについて、後からトレイを運んでくるお母さんのためにナフキンをテーブルに置いてその上にきちんとナイフとフォークを並べていました。その姿が見るからに一生懸命でとても可愛かった!思わず微笑んでしまう。

PM01:00 にマルクトプラッツでダンナと西尾先生と合流。西尾先生は今日で帰国とのこと、最後のお昼にソーセージを食べましょう!とカイザー通りのレストランを物色して歩く。と、美味しそうなホットドックのお店を発見。昨日ソーセージの缶詰を購入した肉屋さんでした。見るとひっきりなしに人がここのホットドックを買っていく。食べよう!決定!めいめいホットドックを買って、通りにあるスタンドテーブルでかぶりつく。ん、まーーい!ここのソーセージは、パンの2倍の長さがあって、注文を受けてからプリっとソーセージを二つに折ってパンに挟む。ソーセージは目の前で焼いていて、白か黒か選べる。マスタードとケチャップはお好みで。これで日本円にして約350円くらいでした。やっすーい。うっまーい。

お昼を食べて、西尾先生はホテルへ帰ってその後空港へ向かわれるとのこと、ここでお別れしました。お世話になりました。
その後は観光していないダンナのご所望で、もう一度お城へ。でも雨が降っていたのでいまいち庭園も散策できず、残念でした。お城の下の喫茶店に入ってコーヒーを飲みながらまったり過ごす。熱くお互いの仕事論を戦わせた後(?)、やることもないのでホテルへ帰る。あー、雨さえ降ってなければナー、郊外にある遊園地にも行けたのにナー。残念。ま、仕方がないけどね。夜は例のビヤレストラン広場に繰り出して食事。またビール。毎日美味しいビールで嬉しいね。

2001.6.09 5日目

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アムステルダムにはこういう
小さな運河が網の目のように
張巡らされています
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小路にて。
夕飯はこの先ちょっと行ったところの、
ステーキハウスで食べました

本日は移動日。フランクフルトまでICEに乗っていく。駅の案内のお姉さんに聞いて切符を買って行ったのですが、どうやら目的地をフランクフルト中央駅と、フランクフルト空港駅を間違えてしまったらしく(そういえば伝えてなかったな。。というかこの二つの駅が違うということを認識してなかった)、行きと全然違う駅に到着してしまって、焦ってしまった。周りの人に聞きまくって、中央駅から地下鉄で空港駅まで移動すればよいことが判明。なんとか移動する。ま、時間の余裕はみていたからいいんだけどね。。

ダンナさんはまだドイツのマクドナルドを経験していなかったので行ってみたいとご所望、空港でお店を見つけたので入る。私はエッグマックマフィン、ダンナはクォーターパウンド・バーガーを注文。ダンナいわく、日本以外のマクドナルドは美味しいので好きなのだそうです。

マクドナルド近くにトラベルインフォメーションのコンピュータがあったので行って触ってみる。するとそこにドイツの金髪悪ガキ(5才くらい)が現れてちょっかい出してきてひじょ〜にムカついた。ジャレてんのか絡んでんのか知らないが私の持っている受話器をたたき落とすわ、蹴りを入れてくるわで、頭にきたので日本語で「だめでしょっ!そんなことしちゃっ!」と頭をぶつ真似をしてみるが全然効かない。本気でビシバシ蹴ってくるんだよなー。それでドイツ語でなんか囃し立てる歌を歌う。意味はわからんが、なんかバカにされてることは分かるぞ。ほんまにむかついた!敵だ!親出てこい親!最後は無視してその場を去る。ガキはその後も、周りの人に攻撃をくり返していた。

さて無事にアムステルダム・スキポール空港に到着。タクシーで市内のホテルに移動。アムステルダムからの飛行機は明日なので、今日は一泊アムスに泊まって明日の朝移動するのだ。しかしこの空港から拾ったタクシー、むちゃ!くちゃ!恐かった。。。なんせ時速120マイル超(時速200km?)で高速4車線イッキ変更するわ、前の車との車間距離5mとあかせないでパッシングするわ、なによりも恐かったのはその運転をずっと、携帯電話片手になにやら喋りながら、片手でこなしてること!なのですよ〜〜〜!!!こ、こ、こ、こわかったぁぁぁ。聞きしにまさる恐さでした。ちなみに、帰りの、ホテルから空港に使ったタクシーはそんなことなかったので(でも携帯電話は使ってた)、この運転手さんだけだったのかしらねぇ。恐るべし、アムステルダム。ドラッグ決めてたんじゃないでしょうね。

半日しか観光する時間はなかったのですが、とりあえずはここに行きたい!とホテルで落ち着くのもそこそこに国立美術館へ直行。レンブラントとフェルメールを見るのだー。
いやぁ、感動でした。美術館の最上階、ゴージャスな「栄誉回廊」の一番奥手にどど〜〜〜ん!と鎮座ましましていたレンブラントの「夜警」も素晴らしくて息を飲みましたが、その他大勢の絵画と一緒に廊下の片隅にひっそりとかけられていたフェルメールの名作「ミルクを注ぐ女」を見つけた時は感慨無量だったなり。最近日本はフェルメールブームですよね。関連の本はいっぱい出ているし。。。いやぁ、だってやっぱりイイですもん。私はこの「ミルクを注ぐ女」、小学校の美術の教科書で見て以来好きでした。この静謐さ。すがすがしさ。すんばらしー。古典の著明な作品にしては珍しく(?)小さなサイズの絵で、ちょっと意外でした。いや、でもイイネ。ロンドンのテートにあるミレイのオフィーリアに続いて、好きな作品です。
売店で、探し求めていたダビンチの素描集を見つける。嬉しい!あとレンブラントのエッチング集を購入。
そういえばダンナは、CLIE を出して辞書機能を使って絵の解説を読んでいたら、傍らにいた中国系オランダ人に声をかけられていました。「それなに?イイネ〜」みたいな感じ。楽しいね、そういうの。

2001.6.10 6日目

AM11:00 アムステルダム発の飛行機なので、AM08:00 にホテルをチェックアウト。そのままタクシーで空港まで行ってオランダKLM航空の飛行機で一路成田へ。
今回も3人席を2人でゲットできてラッキーでした。ただ、通路を挟んで隣にヘンな女の人がいてさー!一人で泣いてブツブツ訳の分からない事を呟いてて、今に暴れ出すんじゃないかとヒヤヒヤでした。しかしスチュワーデスさんは笑顔で対応していて、散歩?に連れて行ったりとか話し相手になったりとか、仕事だとはいえ素晴らしかったです。KLM は株を上げましたね。Northwest だったらこうはいかなかったろう(なんてまた、Northの悪口。ま、使うけどね)。

2001.6.11 7日目

日付変更線を超えて朝 AM08:45、成田到着ー。ふーつかれた。。
駐車場に連絡して預けてあった車を空港まで持ってきてもらい、そのまま一路おうちへ。風呂にはいるのじゃ〜、米を食べるのじゃ〜。


楽しい旅でした。昔、イギリスを一人旅したことがあってその時はあまりの寂しさに耐えきれず、外国旅行はやっぱ一人旅はダメだな〜と思ってました。今回は日中は一人、夕方からは合流して複数と、半一人旅みたいなものだったのでちょっと不安はあったのですが、いざやってみると寂しさもあまりないし自由な行動はとれるし、予想以上に楽しかったです。チャンスをくれたダンナさんに感謝!またどっかに行きたいな〜っと。